70年代のRCサクセションと松本零士『INTERSTELLA 5555』

■どうしてそんなものを選んだのか、自分でもよく分からないのだが、三連休のひまつぶしに近所のTSUTAYAでRCサクセションの1970年代のライブ集DVDと、daft punkのミュージックビデオ『INTERSTELLA 5555』を借りて観た。
少し前、FMラジオで初めてRCサクセションの1970年代の名曲「甲州街道はもう秋なのさ」を聴いて以来、ロックバンドになる前の彼らの曲をまとめて聴きたいと思っていた。そこへ『ライブ帝国 RCサクセション 70’s』を見つけたわけだが、アコースティックギター二本とウッドベースという特異な編成の、超前衛的ハードフォークのコード進行は、僕らの世代にとって聴いたこともない音であることに違いない。ただ美しいだけの最近のフォークデュオの体験しかない人たちはすべて、本DVD収録の『三番目に大事なもの』『キミかわいいね』を聴くべきである。
そしてdaft punkの『INTERSTELLA 5555』はご承知のとおり、松本零士とフランスのハウスミュージシャンdaft punkのコラボレーションによる約1時間のアニメーション作品だ。久しぶりに松本零士のアニメ作品を画面で観て、涙が止まらなくなってしまった。僕の心に最も訴えかける松本作品のエッセンスは、その女性像だ。
あのつねに憂いを帯びた不自然に長いまつげの切れ長の瞳と、十二頭身の超人的なスタイルの良さ、あまりに非現実的な美しさが、首から提げたお手製のロケットに切り抜いたメーテルの絵をつねに忍ばせていた9~10歳の頃の僕自身を甘い胸苦しさとともに思い出させる。
『INTERSTELLA 5555』ではThe Crescendollsのベーシストが、メーテルであり、クレアであり、千年女王である。松本零士の「最新作」を観たいという望みがかなえられずにいた人たちは、このミュージックDVDに心酔できる。もちろん四畳半シリーズ以来の、星野鉄郎的キャラクターも、ドラマーとして登場し、キャプテンハーロックや『宇宙戦艦ヤマト』の古代進的な正統派ヒーローは、地球に拉致されたThe Crescendollsを救い出す英雄役で登場する。『銀河鉄道999』のあの機関室のイメージや『宇宙戦艦ヤマト』の「ワープ」のイメージなど、松本零士世代にとって涙なくして観れない懐かしいイメージがちりばめられた小品で、前編daft punkの音楽が流れるが、できればアフレコつきでも観たかった佳作である。