國分康孝『カウンセリングの理論』

■別にキャリアカウンセリング関連の資格を取ろうと思っているわけではないのだが、渡辺三枝子、エドウィン・L・ハー著『キャリアカウンセリング入門―人と仕事の橋渡し』(ナカニシヤ出版)という本を読んで、カウンセリングの基礎理論に関する記述が消化不良だったので、近所の図書館でたまたま見つけた手ごろな分量の國分康孝著『カウンセリングの理論』(誠信書房)を読んだ。これが意外に面白かった。
精神分析を基礎として自らのカウンセリング技法を実践の中で鍛え上げてきた著者が、主要なカウンセリング理論を次から次へばっさばっさと快刀乱麻を断つごとく長所と短所を解説していくスタイルで、単なる読み物としても面白い。もちろん僕が実存主義や現象学、精神分析などの西洋思想史をかじっているからこれだけ面白く読めたのかもしれないが、カウンセリング理論の入門書としては痛快無比だ。著者の國分康孝氏の徹底した来訪者中心主義(client-centered approach)と、そこから来る徹底した折衷主義があまりに痛快なので、続いて同氏の著作『カウンセリングの技法』(誠信書房)も読み始めた。
キャリアカウンセリングの基礎理論の勉強のつもりがどんどん横道にそれて、このままだと交流分析、特性因子論、実存主義的アプローチ、ロジャーズ、行動主義などの各論にまで踏み込んでしまいそうな勢いだ。
しかし國分氏いによればカウンセラー自身に求められる第一の資質は自分自身に肯定的な評価ができる人物であること。自分で自分を嫌っていては来訪者を肯定的に受容できない。ちょっと僕にはカウンセラーはつとまらないが、転職経験豊富なのでキャリア開発の支援なら出来そうか。