女性ヘルパーの4割がセクハラ経験

山形新聞の2005/05/20付け記事によると、山形県天童市内で県内187事業所を通じて1179人の女性ヘルパーを対象としたアンケート調査で、その4割が利用者や利用者の家族からセクハラを受けた経験があり、勤務する事業所に報告しても、まともに取り合ってもらえず泣き寝入りになるケースが多いという。
介護保険制度で介護が有料化されたことから、逆に「何をやってもいい」という意識が利用者に生まれているのではないかという分析もあるようだ。当然、被害者となったヘルパーはセクハラを受けた利用者の家庭を訪問することに嫌悪や恐怖を抱くようになる。
様々な制度上の欠陥が指摘されている介護保険制度だが、こういったセクハラのようなミクロレベルからの「自滅」が起こるのは、ウェットな日本社会ならではだ。介護保険制度は今まで身内が行っていた介護を「社会化」する制度なわけだが、社会化しても介護行為自体のもつウェットな「甘え」の側面は残り、ヘルパーとの間でそれが再現されてしまう。
いくら介護事業所でセクハラ防止の取り組みをしても、利用者側の意識を改善する対策でなければ効果はない。「成人どうしの身体的接触が必要な私的領域」の社会化としては、介護は近代社会が性的行為の社会化の次に経験する二度目の社会化ではないか。
だとすれば、性的行為が社会化された結果、良くも悪くもこれだけの産業に育ってしまっている現実を考えると、女性ヘルパーをセクハラの被害から守るには、残念ながら、本当に残念ながら、介護サービス利用者に対して既存の性的サービス(デリヘル等)を代替案として勧めるしか現実的な解決策はなさそうだ。
「介護利用者の男性に性欲がない」などというのは単なる幻想である。そのことを介護事業者は認識せざるをえないのかもしれない。さもないと介護の社会化という大きな社会的事業そのものが破綻してしまう。本当に残念なことではあるが、避けて通れない問題のようである。