フルーツバットのココナツソース煮

■この間テレビをザッピングしていたら埼玉テレビで10年以上前、おそらくバブル時代のダイビング番組を再放送していて、しばらく美しいグアムの海中遊泳の映像が続いたと思ったら、レポーターの女性が評判のレストランでグアムならではの料理を頂きたいと思いますということでオーダーしたのが「フルーツバットのココナツソース煮」。小型のこうもりを生きたまま丸ごと鍋でグツグツと煮込んで、肉のエキスが出てきたところで、茹で上がったこうもうりを取り出し、煮汁にココナツスープを加えてスープを作り、もう一度こうもりをそのスープで煮込むという料理。
完成した料理は白い皿の上にこうもりが四肢を硬直させて仰向けになっており、白いココナツスープに浸っているという格好。こうもりは煮られて皮膚が縮んでいるので、小さな口が全開で歯がむき出しになっている、まさに断末魔の表情。そしてその腹はくりぬかれ、スプーンを突っ込んで肉をほじくり出して食べられるようにしてある。夢に出てきそうなおぞましい図柄なのだ。
ところがこの料理、そのダイビング番組でゲテモノとしてではなく、美味な地元料理として普通に紹介されていて、きれいにメイクした短いソバージュの女性レポーターも「じゃあまずスープを頂いてみますね」とカメラ目線でこうもりが浸っている白いスープをスプーンですくって飲んでいる。それ以上見る気がしなかったのでそこでチャンネルをかえたのだが、今ならゲテモノというくくりでなく、普通のスポーツ番組で普通にフルーツバットの姿煮が登場するような番組づくりをするだろうか。やっぱりバブル期の日本って何かおかしかったんじゃないのかと感じた。