叩かれた者を叩き続ける人々

■本当に下らないことだが、大阪出身で幼い頃から吉本新喜劇漬けだったせいで今もお笑い系バラエティー番組大好きな僕は、昨日も例によって『めちゃイケ』を見ていた。その中に例の奈良県の騒音訴訟で傷害罪の実刑判決を受けた49歳主婦のパロディーのコーナーがあった。被害者の方が見ていたら不愉快だろうし、この主婦が出所後また同じことを繰り返すだろうと考えると笑ってはいられないのだが、この程度の事件なら笑い飛ばすのも一つの社会的トラウマの浄化方法かもしれないと考えながら見ていた。
その中で製作者側のちょっとした悪意を感じた場面があった。くだんの主婦が自動車のクラクションで騒音を撒き散らしていた場面のパロディーで、某国内自動車メーカ製の車が使われていたことだ。
確かにワイドショーなどで何度も放送されたビデオで実際にあの主婦はそのメーカの車に乗っていたが、もしこれが他の国内自動車メーカの車だったらどうだったろうか。単なるパロディーとは言え、そのメーカにとってみれば一種のネガティブ・キャンペーンになる訳で、当然『めちゃイケ』の番組スタッフはこのメーカの許可はとっていないだろう。例の主婦が同社製品に乗っていたのは偶然とはいえ、パロディーの場面では車種が分からないようにモザイクをかけるなどの加工はできたはずだ。
先日同社は車輪にモータを内蔵する方式の電気自動車を開発したと発表したが、閑散とした記者会見で記者の一人がガソリン車の売り上げが回復しない中でなぜ電気自動車なのかと質問して同社を鼻白ませていたようだし、技術偏重の体質が様々な弊害を生み出していたはずなのに、やはり技術で独自性を追求するしか選択肢はないのかと考えさせられたりしたが、今や国内自動車メーカーでは唯一の負け組になってしまった同社を今もなお叩き続ける日本社会はやはり異常だ。