私的制裁好きな日本人

■その後もJR西日本福知山線の脱線事故について、同社の社員が衆議院議員と宴会をやっていたとか、運転士に対する一般市民の嫌がらせが70件あったとか、いろんなことが報道されているが、日本社会の未熟さがよく分かる。やはり日本人は法制度にもとづかない私的制裁が大好きな国民なのだ。
JR西日本社員だけでなく、直接関係のない議員の私的な行動まで掘り返して非難することに加えて、一般市民が運転士に嫌がらせをするなど、日本人がそれぞれに義憤を爆発させて筋違いの良心を満足させていく。その結果、法制度にもとづいた原因究明や責任追及が本格化するころには、マスコミもふくめてガス抜きが終わった状態になっていて、直接の被害者だけが怒りとともに取り残される。
おそらく今回の事故でさらに糾弾されてしかるべきは国交省だろう。自動車のリコール制度と比較しても、自動停車装置の設置を制度的に義務付けないのはバランスを欠くのではないか。管轄省庁は異なるが国民の生命の安全を守るという同じ観点から、食品や薬剤の安全性についての法制度と比較するとどうなのだろうか。民営化されたJTに対する健康被害についての注意書きの義務付けや厳しい広告規制と比較して、鉄道の安全に対する法規制は甘くないか。
しかし、先日この日記で取り上げた畑村東大名誉教授の『失敗学のすすめ』で取り上げられていた、1997年の信楽鉄道事故の失敗が生かされず、今回の事故が起こってしまった。となると、今回の事故でも日本人は私的制裁でそれぞれにガス抜きを済ませてしまった後は、法制度面の追及や整備をおろそかにし、次の事故の原因を残したままにするのではないだろうか。

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  1. ファニーな酋長のテント

    虚心坦懐

     JR西日本での脱線転覆事故に端を発した一連の不祥事に関する報道に対して虚心坦懐なにごとも思ったことをこれまで書き込んできました。ここに至って、なにもそこまで言う必要があるのか?と思われるようなことまでもが記事となっているような気がする。日本国民みんな……