休暇中の社員まで非難する愚かさ

■JR福知山線の脱線事故について、事故当日休暇をとっていたJR西日本社員がボウリング大会に行っていたということに対するバッシングが始まったが、同社に対する批判もいよいよ非本質的で下品でワイドショー的になってきた。
同社社長が記者会見で「勤務時間外だったので」と弁明したことについて、「勤務時間外でも社員は社員なのだから現場の救助支援に向かうべきだった」と憤慨する意見はまったくのナンセンスだ。私生活にまで踏み込んで社員としての責任を問う、そういう風に社員を100%組織人としてとらえ、一私人としての側面を完全に無視する日本的な考え方こそ、JR西日本の「日勤教育」に見られるような個人に対して抑圧的な組織の体質の原因になっているのだ。
休暇中の社員が現場に駆けつけるかどうかは個人としての良心の問題であって、社長が謝るような問題ではない。にもかかわらず社長に謝らせることで、企業の管理強化を社員の私生活にまで及ばせ、同じような事故が再び起こるように仕向けている。これこそ日本社会の醜い愚かさだ。こんなときだからこそ、科学的な事故原因の究明を最優先に同社を追及すべきであって、こんなワイドショー的なネタで安全性に関する議論を非本質的な方向へそらすべきではない。