ニッポン放送の「内輪の理論」

■とうとうニッポン放送が既存の株主を犠牲にしてまでライブドアに買収されるのを避ける最終手段に訴えたようだ。新株予約権は飽くまで権利であって、今回これを買ったフジテレビが実際に新株の引受を行使するかどうかはわからないが、別に新規事業を展開するために資金調達するわけではないのだから、ニッポン放送という会社そのものの企業価値が変わらないまま、発行済み株式数だけがドカンと増えるので、一株あたりの価値が大幅に下がることくらいは、企業ファイナンスの素人の僕にだって分かる。これでは株価の下落は必至で、既存のニッポン放送株主は、他ならぬライブドアも含めて大損害をこうむるおそれがある。
ライブドアの堀江社長は、本当に実現できるかどうかは別にして、少なくとも、ニッポン放送の企業価値を高めるというポジティブな意図で買収をしかけているだけ、ニッポン放送の今回のやり口よりもまだましだ。今回のニッポン放送のグループ内での新株予約権の発行は、ただただフジサンケイグループが保身を図るためだけの、完璧に後ろ向きな内輪の理論にもとづく対抗策だ。
もしフジテレビが本当にニッポン放送との事業提携によるシナジーを、今まで少しでも本気に考えたことがあるなら、ライブドアに買収をしかけられて初めて、思い出したようにニッポン放送の株を買い始めるなどということにならなかったはずだ。ライブドアが行為に出るよりも前に、ニッポン放送を子会社化するなどの策を打っていたはずだ。今までそれをせずに、今ごろになってライブドアへの対抗上、ニッポン放送の株を買い始めるなど、一般の株主の利益を無視した、フジサンケイグループの保身以外の何物でもない。

ニッポン放送の「内輪の理論」」への0件のフィードバック

  1. 阿川大樹的小宇宙

    フジテレビとニッポン放送の正当性に疑問(ライブドア買収問題)

     ライブドアの時間外取引の法の精神に対する疑問と、それに対抗したフジテレビのTO