園子温『うつしみ』

■園子温監督・脚本『うつしみ』(1999年)をDVDで観た。ゴダールだと思えば観ることができるビデオ作品。写真家・荒木経惟、ファッションデザイナー・荒川眞一朗、俳優・麿赤児が登場するドキュメンタリー部分と、鈴木卓爾主演のフィクション部分が編集で織り合わされている。
字幕の多用と詩的なセリフはまさにゴダール張りだが、ゴダールよりはるかに露悪的。鈴木卓爾が張子のペニスを持ち、張子のヴァギナを追いかけて走り回る妙に即物的なシーケンスはどうだろうか。あれさえなければ、案外平凡なハッピーエンドも納得できる範囲内の抒情性になったと思われる。渋谷での街頭パフォーマンスのシーケンスもあまり好きではない。