風間志織『火星のカノン』

■トップページをご覧の方は既にお気づきのように「愛と苦悩の日記」を過去分も全て@niftyの「ココログ」というblogサービスに移行させた。所定の形式のテキストファイルに変換すれば、一気にサーバへアップロードできることが分かったので、JavaでHTMLを変換するバッチ処理プログラムを作成した。
HTMLファイルを解析して、日付別の日記の本文を、日付を示す文字列をキーに、本文をVectorオブジェクトに格納してHashMapオブジェクトに保存するクラスを定義し、そのクラスが作成したHashMapオブジェクトをココログへアップロードできる形式のテキストファイルに変換しながら書き出すといった感じのプログラムだ。
今までは直接HTMLファイルをテキストエディターで編集していたが、今後はテキストファイルを作成しておいて、それを「すべて選択」してココログの更新画面へ「貼り付け」することになる。勝手が変わるのはあまり居心地が良くないが、blogは世の中の流れなのでいつまでもそれに乗らないのも読者に不親切ということでデータ移行してみた。
風間志織監督『火星のカノン』(2001年)を観た。『冬の河童』(1995年)が淡々とした描写ながらも意外に余韻のある作品で、近所のTSUTAYAに『火星のカノン』の在庫があったこともあって観てみた。
公式Webサイトがまるでテレビドラマの番組宣伝のような軽めのデザインだったので、『冬の河童』に比べると作風が軟化してしまっているのかもと恐れていたのだが、しかし全くそんなことはなかった。テレビをデジタル液晶にしてから、ハイビジョン放送とそうでない映像の解像度の違いが気になって仕方なくて、ビデオを借りてきて映画を観ると粒子の粗さが余計に目立つ。この映画も16mmかと思うほどだが、実際には35mmで、撮影の石井勲氏が意図的に柔らかいタッチを狙っているのだろうか。
『冬の河童』同様、激しい感情表出のない抑制の効いた演出だが、しっかりと主人公の絹子(久野真紀子)と聖(中村麻美)の感情はこちらに伝わってくる。『冬の河童』にも出ていた和久田理人が焼き鳥屋の店主役で出演している。物語は妻子のいる冴えない中年男の公平と不倫することでしか孤独を紛らせることの出来ない絹子と、偶然知り合いになった聖が、公平から絹子を奪うまでの経緯を描いている。ヘテロセクシャルの絹子が、所詮長続きしない不倫の関係に絶望した孤独のために、同性の聖と関係を持つという展開は、こうあっさり書いてしまうと明らかに無理があるし、レズビアンの位置づけが否定的なのも気になる。
しかしローキーな映像と冷静なフレーミングは、聖との関係に完全には満足できないながらもそこに逃げ込むしかなかった絹子の心情を、かなりの説得力をもって描き出すことに成功している。同性愛を描いている映画としては、かなり僕自身の理想に近い。本質的に永遠に不完全であることが運命づけられている幸福が、きちんと描かれているからだ。

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  1. a story

    火星のカノン

    主演久野真紀子、小日向文世、中村麻美
    監督風間志織
    脚本小川智子・及川章太郎
    製作2001年、日本
    普通の恋愛
    東京の片隅で暮らす女の孤独を描いた…