林明日香の失敗プロデュース

■日本テレビの夜のニュースをなんとなく見ていたら、ひさしぶりに林明日香がテレビに登場していた。2年前だったかにデビューしたときは「小学生の実力派シンガー」ということで、パワフルな歌唱力を売りにしたが、鳴かず飛ばずで、売り方を変えようとしているらしい。たしかにルックスはいまどきの女子中学生という感じになったけれど、ニュース番組のインタビューで、つい2年前まで通っていた小学校を訪れて、「なつかし~」と言わせたり、おばあちゃんが亡くなったことが人生をゆるがすような出来事だったかのように語らせたり、プロデューサーが彼女をめぐるひとつの「ストーリー」を作り上げて、それをつかって売ろうとしているのが見え見えで、せっかく歌唱力があっても、プロデューサーがダメだとかわいそうだ、と思いながら見ていた。キャラクターづくりにしても、単に「しっかりした明るい女の子」という演出なので、新しさがない。申し訳ないけどルックスは人並みなんだから「あやや」のようなキャラづくりではダメなのだ。いっそのこと、しっかりした歌唱力とわざとギャップをつくって、「かなりの天然ボケ」キャラなんかはどうだろうか。ただ、その歌唱力も、やっぱりピンとこないところはある。新曲はなぜだか知らないが、宝塚歌劇団の往年の名唱といわれているらしい曲で、どうしてまたこんな曲を選んじゃったのか、というような曲なのだが、テレビで歌っているのを聴いていると、正直言って退屈な感じがする。技巧的な上手さがすでに一つのパターンにはまってしまっているのだ。次のフレーズはこんなふうに歌うんだろうなと思ったら、そのとおりにしか歌ってくれない。どんな曲を歌っても同じ技巧や発声法しか使わない。歌唱法の方も思い切って変えてみるというのはどうか。フェイ・ウォンが正統派の歌唱力から、クランベリーズのレイヨロホーみたいな声に変えたのと同じように。とにかくせっかくの歌の上手さがもったいない。すべては売り方の演出がヘタクソすぎるせいだ。