小さな会社が規模拡大を目指す方法

■小さな会社が、規模の拡大を目指そうとすれば、経営のあり方は次のうちのどちらかしかない。一つは、カリスマ経営者が会社全体をグイグイと拡大へ引っ張っていく方法。財閥系を除いて、いま存在する大企業の創業期は、カリスマ経営者が全社員の考え方をひとつの方向にまとめることで規模を拡大できたのではないだろうか。
もう一つは、カリスマ経営者がいない小さな会社の場合になるが、属人的な仕事のやり方から、組織やルールが支配する仕事のやり方へ変えていく方法。小さな会社はほぼ例外なく、社内の一つひとつの仕事が、その仕事を昔から担当している人にしかできないようなやり方になってしまっており、その担当者は自分のやり方がいちばんいいと思い込んでいる。いちばんいいと思っていなくても、それ以外のやり方を考え出す能力がないため、同じやり方を続けることしかできない。
しかし、こういう状態である限りは規模の拡大は不可能だ。理屈はかんたんで、規模が拡大すると、いままで一人の担当者でできていた仕事の量が増えるために、二人以上でこなさなければならなくなる。するといままでの担当者は、二人目の担当者に仕事を教える必要がでてくる。仕事のやり方が、その人にしかできないようなやり方になっていると、二人目に教えるという作業の効率が非常に悪くなり、担当者が二人に増えているのに、全体としての能率は二倍にならない。すると規模の拡大しようとしても、業務処理が追いつかず、必然的に拡大に限界がでてくる。
そうならないためには、仕事のやり方が「だれでもできるような」やり方になっている必要がある。「だれでもできる」というのは、バカでもできるようなかんたんなやり方になっている、ということではない。だれにでも理解できるように体系化されているということだ。そのためには、担当者自身が、自分の仕事を客観的に、つきはなして、ある意味「批判的に」見ていなければならない。そうでないと自分の仕事を他人に理解させることはできない。小さな会社に所属している人で、自分の仕事のやり方が正しいと思っている人は、会社の規模の拡大を妨げている人なのだ。