日経新聞の意図的な忘却

■小学生時代は『月刊タイガース』を定期購読するくらい熱心な阪神ファンだったけれど、今は野球にまったく興味がない。ただ、最近の球界再編劇は、イヤでも毎日の報道で耳にする。日本経済新聞の記事を追っていると、オーナーたちと選手会の交渉が進むにつれて、大切な論点がいつの間にか見過ごされるようになったことに気づく。
それは、ライブドアが近鉄の買収を申し出たとき、オーナー会議がその提案を完全に無視したという事実だ。たぶん日本経済新聞はこの事実を、時がたつにつれて意図的に無視するようになっている。それどころか選手会がストを行ったことについて、批判的な社説まで書く始末だ。オーナーたちがあの買収提案を真剣に検討していれば、ストにつながってしまうほどの騒動にはならなかったはずだ。
そう考えればやはり日本経済新聞はプロ野球の閉鎖性を完全には批判できていない。むしろオーナーの立場をとっているために、世間がライブドアの近鉄買収提案を少しずつ忘れていくのに乗じて、まるでそんな事実がなかったかのように、今進行しつつある再編劇を伝えている。意図的な隠蔽があまりに見え透いているだけに、球界再編についての日経の報道にはイヤな気分にさせられる。