トマス・マン短編集

■最近はほとんど読んだり観たりしたものの感想ばかりで申し訳ないのだが、あまりにも考えることが多すぎて落ち着いて書き物にする暇がない。
先日読んだ『広告批評』の平野啓一郎との対談で高橋源一郎が触れていたので、大昔に読んだ『ベニスに死す』に続いて二冊目のトマス・マンを読んでいる。岩波文庫の短編集だ。初期の短編集を書いたときマンはまだ二十代だったが、今読んで初めてそこにユーモアを交えて描かれている絶望を十分理解することができる。こうした短編にもっと早く、学生時代に出会わなかったのは僕にとって幸福なことだったのか、不幸なことだったのか。