『精神医学の名著50』

『精神医学の名著50』(平凡社)を読み終えた。この手のブックガイド的な本を読み終えると、当然その中で紹介されている本を読みたくなるのだが、近所の大型図書館にはほとんどが蔵書されていない。リストアップしたのはまずコンラート『分裂病のはじまり』(岩崎学術出版社)。これは日本語訳が8000円と高すぎるので英訳を探したが、Amazon.comを探しても独語の原典Die beginnende Schizophrenie. Versuch einer Gestaltanalyse des Wahnsしかない。しかもなぜかPDF形式の電子書籍。ブランケンブルク『自明性の喪失』(みすず書房)も4000円とやや高め。サリヴァン『現代精神医学の概念』(みすず書房)も5600円とかなり高め。英語で読めばConceptions of Modern Psychiatryでたった1000円。パトナム『多重人格性障害』(岩崎学術出版社)は図書館にあったが貸出し中。多重人格はダニエル・キースの小説がベストセラーになるなど日本国内でも一種の流行なのでやむを得ない。ベイトソン『精神の生態学』(新思索社)も閉架だったが蔵書があったので借り出してきた。現在興味深く読んでいる途中である。メラニー・クライン『羨望と感謝』(誠信書房)が図書館にないのはやや不思議だった。精神分析の世界で一学派をなすほどの大家のはずなのだが、彼女の著作集が1冊もないのだ。英語で読めばEnvy and Gratitudeで1500円ほど。ビオン『精神分析の方法―セブン・サーヴァンツ』(法政大学出版)も蔵書がなかった。ロビンス『最期のとき』はもともと邦訳がないので英語で読むしかないのだが、それでもThe Final Months: A Study of the Lives of One Hundred Thirty Four Persons Who Committed Suicideは古書で7000円ほどからとかなり高め。ハードカバーだから仕方ないか。ラカン『精神分析の四基本概念』(岩波書店)はさすがに蔵書があったが残念ながら貸出し中。土居健郎『精神療法と精神分析』(金子書房)も図書館になかったが、2500円と案外安いので買ってでも読む価値はあるかも。フェレンツィ『臨床日記』(みすず書房)は開架の蔵書があるのを前から知っていたので借り出した。ビンスワンガー『精神分裂病』(みすず書房)は上下巻あわせると12700円ととんでもなく高価だが、インターネット上で古本屋を検索しまくって幸運にも4000円の古書を発見したので購入することにした。このように見てくるとみすず書房はなんてエラい出版社なんだろうと実感させられる。しかしこんなに精神医学関係書を読んで何の役に立つというのだろうか(ベイトソンが精神医学関係書かどうかは別として)。