日本マクドナルドの新CEO起用は失敗では?

日本マクドナルドの持ち株会社が元アップルコンピュータの社長をCEOとして招くらしい。現CEOは会長に就任するとのことだ。目的はマクドナルド・ブランドを再生するためらしいが、この的外れな人事を見ても、いかに米マクドナルド本社が日本に適合した経営に失敗しつつあるかがわかる。確かにアップルはパソコン業界で非常に高いブランドイメージを持っているが、それは対象とする消費者を、映像制作、音楽、服飾など、いわゆるクリエイティブ系の人たちに絞り込んできたからだ。
そもそもアップル社はウィンドウズとシェアを争う拡大路線を捨て、市場占有率と無関係な戦略に転向して成功した。他方マクドナルドにとって、シェアを捨ててブランドイメージを向上させることは業績回復に不適切な方法だろう。むしろ創業者の藤田氏が多角化の一環として着手していたプレタマンジェのような業態に最適な戦略だったはずだが、米経営陣はすでにこのサンドイッチチェーンから撤退を決めてしまった。プレタマンジェタリーズなどにふさわしい、シェアを捨ててブランドイメージを向上させるという戦略を、マクドナルド本体で採用するのは完全な誤りなのだ。マクドナルドがすでに獲得している顧客層が広すぎるからである。
そこでヒントになりそうなのは、マッキントッシュよりもむしろユニクロではないか。薄利多売でありながらブランドイメージを向上させることにある程度まで成功したユニクロにこそ、マクドナルドは学ぶべき点が多いと思うのだが、新CEOをアップルから持ってくるような完全な見当違いをする米国本社の経営陣では、日本マクドナルドの未来はおぼつかない。
少しずつシェアを落とし、かといって商品単価もそう簡単には上げられず、そうこうしているうちにアルバイトの士気が落ち込んで、レジの前に行列ができたり、先日指摘した物流のまずさから欠品を起こしたりしながら、ゆっくりと三流バーガーチェーンに落ち込んでいくのが、もっともありそうな未来だと個人的には考える。