藤枝静男『田紳有楽・空気頭』

■講談社文芸文庫の藤枝静男『田紳有楽・空気頭』で『空気頭』だけを読んでみた。「私小説」についての考え方が完全に裏切られる、いってみればぶっ飛んだ「私小説」。妻の病気と闘う日々と、糞尿からの精製物で性欲の昂進を取り戻す日々が並置された「私小説」。僕らがふつうに「私小説」を読んでいるものには何が書かれていないかがよく分かる「私小説」。