俗悪な夕刊紙読者のサラリーマンたちへ

■帰宅する電車の中で内容の俗悪な夕刊紙や漫画雑誌をだらしなく広げているサラリーマンを数え切れないほど目にするわけだが、一時間以上かけて通勤している彼らのほとんどが、おそらくは郊外に「わが家」を構えて住宅ローンや教育費などのために働くのと引き換えに、自身の精神的な生活を犠牲にしており、その結果が劣悪な夕刊紙や漫画雑誌にしか向き合えない貧困な精神生活なのだろうが、いったい彼らは何のために生きているのだろか。
こう問えばおそらくすぐに答えは返ってきて「家族のため」ということになるだろうが、もしそういう答えなら、「家族のため」に仕事をしてくれる人なら別にあなたでなくても、他の誰かでもいいのではないかと問い返したい。あなたでなければならない理由がいったいどこにあるのか、と。
僕は非常に不安なのだ。将来この同じ質問を自分自身に問いかけたとき、答えるべき言葉があるかどうか。もしないのだとしたら、今から前もって問いかける必要がある。