人妻モノの官能小説を物色する老紳士

■近所の比較的大きな書店で、職場の西欧人の上司が翻訳版を手に入れて嬉しそうだった村上春樹の『象の消滅』『4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて』を、文庫版で見つけようと探していたら、70代後半くらい、やせ細って眼鏡をかけ、頭髪はほとんどなく僧侶を思わせる横顔だが、かなり安っぽいジャージ姿の老人男性が、棚から棚をゆっくりと移動しながら、黙々と官能小説を探し回っていた。どうやら人妻ものが好みらしかった。書店で堂々と官能小説を漁る老人を見るのも珍しいので、書いてみた。