三浦俊彦『論理パラドックス 論証力を磨く99問』

三浦俊彦『論理パラドックス 論証力を磨く99問』(二見書房)という本をオフィス近くの書店で見つけて、余程その場で購入しようと思うほど面白かったのだが、図書館にあるかもしれないと思い昨日図書館に出かけてみると予感の通りに借り出すことができた。
出版社名からいかがわしい本を想像されるかもしれないが、途中まで読んだ限りでは形式論理学の手軽な入門書といった感じ。著者は東京大学文学部美学芸術学科卒業で、分析哲学の専門家なのでその味付けは濃いが、随分前にベストセラーになった多湖輝『頭の体操』シリーズのように楽しめる。
例えば「私のこの発言はホントではない」という文は真か偽か、という問題。真だと仮定すると「私のこの発言は偽である」ということになり、真だという仮定と矛盾する。偽だと仮定すると「私のこの発言はホントではない、ということはない」つまり「私のこの発言は真である」ということになり、これも偽だという仮定と矛盾する。したがってこの発言は真でも偽でもない。したがって「私のこの発言は真でも偽でもない」ということになるのだが、「私のこの発言は真でも偽でもない」のだとすれば、「私のこの発言はホントではない」ということも真になってしまう。つまり、真でも偽でもないと仮定すると、真であるということになってしまうのだ。これは仮定と矛盾するので、最初の文は、真でも偽でもない、のでもない。さあ、読みたくなった人は早速図書館か書店へ走ろう。