深沢七郎『東京のプリンスたち』

■同じ新潮文庫に収録の深沢七郎『東京のプリンスたち』を読んだ。やはりよくわからなかった。強いて言えば登場人物が高校教師を殴る場面が、音声の切れたスローモーションのようで印象深かった。意図的にねじれた文体はやや鼻についた。当時の「不良学生」の風俗そのものが時代がかっているので、感興も半減するのかもしれない。
『楢山節考』に話をもどすと、たしかに対象を突き放した冷淡な描写で姥捨てという残酷な主題を扱っている点は特徴と言わねばならないし、おりんという人物の骨太な造形も優れている。しかし楢山節に関する解説が幾度となく反復されるのは、この小説の構成として必要なのか、よく理解できなかった。
■昨日は理由もなく人生が非常に退屈だった。今日はそれほどでもない。通勤電車で朝刊を読むことから始まって、一日のすべてがワンパターンで飽き飽きする。