会社の意思決定に正誤はない

■会社で仕事をしているときに、こちらをとるかあちらをとるか、選択を迫られる場面がたびたびある。そのとき「こちらの方が『正しい』から」という理由で意思決定をするサラリーマンがいるなんて、僕には信じられない。仕事とは、会社ができる限り多くの利益をあげるためにやっていることである。それ自体が「正しい」か「間違っている」かなんて、考えてもまったく意味がないことだ。
サラリーマンの仕事に「正しい」とか「間違っている」とかいった価値判断の入り込む余地などない。せいぜい利潤を最大化するのに「適切」か「不適切」か、論理的に「妥当」かそうでないかの区別があるだけだ。まして会社の仕事で自分が下した決定について「正しい」と言い張ってしまうなんて、よほどナイーブな人間でなければできないことだ。
そんな人はきっと、生まれてこのかた、「この宇宙はだれが作ったのだろう」とか「人は何のために生きているのだろう」とか、まっとうな人間なら一度は考えることを、とうとう考えずに来てしまったのだろうと思う。これはこれでまことに不幸なことだ。一度でもその種のことを考えたことがあれば、職場は「正しい」か「間違っている」かを考える場所ではないことがよく分かるはずだ。