夏目漱石『坊ちゃん』

■今日のうちに漱石の『坊ちゃん』を読んでしまった。たしかに後期の漱石のように執拗な内面描写はないが、そう単純な勧善懲悪の物語では決してない。主人公は結局憂さ晴らしをしたに過ぎず、「世間」に負けて東京に帰ってくる。痛快青春ドラマでも何でもない。著者自身が主人公と正反対の精神性の持ち主なのだから、二重に屈折した小説である。