誤解しつつも笑いあう外国人と日本人

■目の前で一人の壮年の外国人と同年代の一人の日本人が会話のふとしたことからどっと笑い出した。しかし僕はあいまいな頬笑みを顔に貼りつけて二人の様子を眺めているだけだ。なぜ笑いの輪に入れないのか。それは目の前の二人がまったく異なることをきっかけに笑い出しているのに、主に日本人側の英語力の不足が理由で、二人ともその事実に気づいていないためだ。
彼らは楽しみの感情を共有できているが、僕は真相を知っているがためにそこからはじき出されている。お互いに誤解していながら感情は共有している二人と、二人の誤解を完全に理解しているために感情を共有できない僕。このような場合、コミュニケーションを成立させているといえるのは、この二人なのだろうか、僕とこの二人のおのおのなのだろうか。