日経朝刊に蓮實重彦の現代日本批判

■今朝の日本経済新聞朝刊、文化面に前東大学長・蓮實重彦の文章が掲載されている。停滞する現代の日本社会を評して「そんな愚かなことはすべきでないという一言を回避しながら、無駄なエネルギーの浪費を労働の実践と勘違いすることで安定してしまう社会」、「そんな社会に欠けているのは『知性』にほかならず、その欠如は、『変化』の導入をいたるところで抑圧してまわる」と書いている。
本文を読んでいただければ分かるように、氏の省察は主に外貨をめぐってのものだ。知性の軽視が背景にあることは確かだが、一例として外務省の悪名高い体質はその源流に日本の近代化を支えた知性があることを忘れるわけにはいかない。知性を重視することが誤ったエリート意識をはぐくまないようにするためには、知性を担う側の倫理観こそ問われているわけだが、もしかすると『知性』に対する畏敬の念をもっとも欠いているのは、外交官を多数輩出している東京大学法学部ではないのか。
そして一方では誰もがたいした努力もなしにその『知性』を担いうるという誤った平等主義があることも事実だろう。平準化された、もはやそれを『知性』と呼び得ないような知性の普及に役立っているのが『サンデーモーニング』に代表されるようなマスコミであることは間違いない。