『日経ビジネス アソシエ』時代錯誤の理想の社員像

■日経BP社のWebサイトBizTechに『日経ビジネス アソシエ』9月号の記事が抜粋されていた。題して「自分自身を“V字回復”させる!夏休み活用術」。某化粧品メーカ子会社の弱冠39歳の社長はわずか4日間の夏休みに1時間刻みのスケジュールをたてて自己啓発に取り組むのだという。家族も気をつかって彼が1人きりになれるように帰省するのだそうだ。
昔はこういう人物こそまさに社員の鏡だったが、仕事とオフで気持ちの切り替えができない人物、家族との時間を犠牲にするワーカホリックを、今さら「理想的な社員像」として取り上げる日経BP社の時代錯誤ぶりには、まったくあきれるより他ない。たしかに僕だって彼のように往復の通勤時間を無駄にしないために語学やIT関連の専門技術の勉強時間にあてているし、休みの日でもふと気がつくと仕事上の課題について考えていたりすることもある。しかしもっと大きな観点から生きることの意味を考える時間も人間には必要だ。だから音楽も聴くし、小説も読む。本当の意味での「哲学」を欠いた人物が、生身の人間である従業員や消費者を相手に、果たして成功できるのか。きわめて疑わしい。