住民基本台帳ネットワーク導入について矢祭町が個人情報保護法が成立しない限り参加し…

■住民基本台帳ネットワーク導入について矢祭町が個人情報保護法が成立しない限り参加しないと表明したことが全国的に波紋を広げているが、そもそも住基ネット導入には保護法成立が前提というロジックがかなり屈折しているように思えるのは僕だけだろうか。確かに住基ネット導入がモラルの低い地方公務員による個人情報の漏洩を招く可能性はある。しかし漏洩されたからといって必ずしも情報を漏洩された個人にとっての不利益になるとは限らない。住基ネットから個人情報が漏洩すること自体が問題なのではなく、漏洩した情報が特定個人の不利益につながることが問題なのだ。逆にいえば保護法案を提出した議員の頭の中では、漏洩=個人の不利益という等式ができあがってしまっているということだ。この等式を前提とする限り、個人が不利益をこうむることを防ぐには漏洩自体をなくす必要がある。このとき処罰されるのは情報を漏洩した主体だ。しかし別の考え方もあるだろう。情報を漏洩した主体ではなく、漏洩した情報をもとに特定個人に不利益を与えた主体を処罰する考え方だ。個人が何らかの不利益をうけたとき、その根拠となる個人情報がどこから漏洩したかを探し出すのは現実的に非常に困難だし、まして誰が漏洩したか、その責任を一人の人物に特定するのはほとんど不可能だろう。これではせっかく保護法が成立してもほとんど実効のない法律になってしまう。ならばむしろその個人に直接不利益を与えた主体を処罰すべきではないか。そして不利益を与えた主体の方に「自分は通常知りえない個人情報をもとに行動したのではなく、他の合理的な根拠で行動した」ということを証明させるよう義務づける内容の法律にすればよい。そうすれば不利益を与えた主体、つまり処罰の対象は捜査するまでもなく明らかだし、個人情報の漏洩源を捜査する必要もないし、誰もが「通常知りえない個人情報」を知ろうとしないような心理的効果を与える効果もある。誰も「通常知りえない個人情報」を知りたくなくなれば、個人情報を漏洩すること自体が割りに合わなくなるので漏洩行為をする人もなくなる。このように考えれば漏洩自体を防ごうとする個人情報保護法案は無意味ではないかという気がしてくるのだが。