その世界をどのように名づければいいのだろうか

■その世界をどのように名づければいいのだろうか、ごくゆるやかな起伏が延々と広がる台地にゆったりした幅の道路が一筋走っている。丘の部分に立って眺めるとはるか遠くに高層ビルがかすんで見えるが、視界をさえぎる建物は近くにない。鉄道は東西に走っているだけで南北の移動は路線バスかタクシーを使うしかない(僕は運転免許を持っていないのだ)。奇妙なのは鉄道の時刻表の複雑さだ。快速と普通の2種類しかないのだが、どの駅にも複数の路線が乗り入れている上に、列車の走行区間が、ある列車はA駅からC駅、別の列車はB駅からD駅という具合にずれているので、乗りかえる電車を間違えるとまた引き返してこなければならない。そして下車したフォームから乗り換え先のフォームへたどりつくための連絡通路は目も眩むような階段になっている。隣のフォームに移動するだけのために百段もある階段を息を切らしてのぼり、同じだけの階段を下る。路線バスは両側から人家がせり出して迷路のように狭い路地を走り抜けていく。自分では何時に何駅まで到着していなければならないと分かっているのに、いつまでたってもバスや電車を乗り間違えて目的地につかない。どうしてこれだけ見通しの良い土地で途方に暮れなければならないのか理解できない。夢の世界は多くの場合不条理なものだが、夢を見るたびに同じような土地で同じように迷っているのはどういうわけだろうか。