この「愛と苦悩の日記」は筆者の実体験を基礎に脚色しており

■この「愛と苦悩の日記」は筆者の実体験を基礎に脚色しており、完全な虚構を書くことはない。もちろん時間的な前後を意図的に入れ替え、かなり時間がたってから昨日のことのように記す場合はあるが、起こらなかった事実を捏造することはない。自然主義的な吐露の日記に近い。虚構の日記を書くのはスタニスラフ・レムのように虚構の書評を書くほどでないにせよ労力を要するが、会社員である筆者はそれほど暇ではない。ただ、読者の皆さんには誇張してでもお伝えしたい興味深い事実が、身内にとっては呆れるほど下らない事実である場合も多い。筆者が社会的フィールドワークとして行なっていることや、飽きっぽい自分にはどうせ長く続かないと思いながらやっていることでも、見方によっては単に下世話な趣味に見えるおそれがある。筆者はその下らなさこそ読者の興味をそそる点であることを十分に承知しており、そういったコンテンツを提供したいと思ってはいるのだが、他方でそういったことが書きづらい状況にあることも事実である。長くこの日記を書きつづけてこれほどの不自由さを感じたことはなかったが、それを喜ばしい変化として享受できるようになることを希望している(この迂遠な言い回しはいったい何なんだ)。