頼まれた仕事を後先考えずに何でも引き受けることは無責任以外の何物でもない

■頼まれた仕事を後先考えずに何でも引き受けることは無責任以外の何物でもない。仕事を安請け合いする会社員は一見上司にとって都合の良い部下のようだが、その実、部下に適切な仕事の配分ができない無能な上司と無責任な部下のお似合いのペアというだけのこと。部下も部下だが上司も上司で、職場での責任の重さから言えば上司に改善の責任があることは言うまでもない。しかしそういう二人がお互いの非を責め合っている場面に出くわしたらあなたはどうするだろうか。もう笑うしかないだろう。もちろん彼らは愛すべき二人である。僕も含めて世の中に完璧な人間など一人として存在しないのだから。
■近所のTOWER RECORDSで購入したアストラッド・ジルベルトの『The Silver Collection: The Astrud Gilberto Album』は大当たりだった。ジャケット写真は彼女の『おいしい水』というアルバムと同じだが、この海外版のコンピレーションは何と25曲入りで1690円でありながら、彼女の主要作品をひととおり聴けてしまうというボサノバ入門者必聴のアルバム。ボサノヴァ女性ボーカルといえば日本では小野リサのような「ささやき系」でビブラートやファルセットのないボーカルをイメージする人が多いと思うが、アストラッド・ジルベルトがその原形になっているのかもしれない。というのは彼女にボサノヴァのボーカルを教えたと言われているナラ・レオンの『美しきボサノヴァのミューズ』が大ハズレだったのだ。1曲目からボサノヴァじゃなくて60年安保時代の日本のフォークソングみたいじゃないか。僕がボサノヴァに期待しているのは南国の涼しい木陰で遠くに聴く波音であって、街中の地下の薄暗い酒場にくゆるタバコの煙ではない。ビブラートの効いた渋い声でボサノヴァを歌われた日にゃぁ、って感じ。舌足らずな声のささやき系がお好みの方には初期のアストラッド・ジルベルトがおすすめ。