某食品会社で輸入牛肉を国産牛肉と偽って業界団体に買い取らせた事件

■某食品会社で輸入牛肉を国産牛肉と偽って業界団体に買い取らせた事件、発覚したのはおそらく社内関係者からのリーク、偽装工作の動機はおそらく輸入牛肉在庫増への対応を迫られ、窮地に追い詰められた47歳のセンター長の会社への意趣返しだろう。そもそも牛肉の在庫が積みあがったのは政府の狂牛病対策が後手に回った責任である。しかしその責任を問われるのは食品業者のしかも現場の責任者。輸入牛肉の在庫増は数字で社内にガラス張りになっていたはずで、センター長は経営陣からもその責任を直接・間接に追求されていたに違いない。経営陣は輸入牛肉の在庫増に対して全社的な対策を講じることなく、センター長に全責任を負わせ、必要であれば人事的な処分をするつもりだったはず。人間、いくら困った状況におかれたとしても、センター長とて偽装工作などすれば社会的な大問題となり、同社グループの再建が事実上不可能になることは予想できたはず。それでもなお偽装工作というあきらかな違法行為に出たのは、現場の長である自分が狂牛病騒動の全責任を負わされる理不尽さに対する意識的な「反乱」だったにちがいない。同社経営陣が昨年11月の社内調査で偽装工作を徹底的に調査しなかったのも、そこで偽装工作が明らかになれば自分たち経営陣の責任が重くなるためだろう。あえて不十分な調査にとどめることで問題の表面化を回避し、さらに追い詰められた現場責任者がより直接的な違法行為に出るように誘導、自分たち経営陣を対外的に「被害者」の立場に演出する意図があったのではないか。センター長はいずれにせよ路頭に迷うが、経営陣は事件後もそこそこの生活を送れる。そうはさせまいと偽装工作に関係した一社員がリークし、問題が発覚した。そう考えるとすべてが納得できる。全員が保身を目的に合理的に行動すれば、そのしわよせは少しずつ下へ下へと降りていく。いかにも日本的な組織ではないか。