セグウェイのどこが「世界的」発明?

■昨年から謎の発明品として話題だった「Ginger」がSEGWAYという商品名で発売されたらしい。詳細は『TIME』誌の記事でも読んで欲しいが、これを作った人間がこんなものを世界的な発明だと思っているところが西側世界の恐るべき楽天主義である。
小売向けモデルは3,000ドルという高額商品、企業向けは8,000ドルもするらしいが、広大な敷地内での移動に最適だということでGEやAmazon.comから引き合いがあるらしい。だが土地のない日本は工場にしても物流センターにしても垂直集積して無人の自動倉庫化する方が普通である。
また街中の移動手段としてみた場合、残念ながら日本には歩行者がSEGWAYのような立ち乗りスクーターで走行できるほど幅広い歩道はほとんど存在しないし、東京の都心部でも坂道や段差が多く、使い物にならないだろう。そもそも都心部の居住人口が少なく、実質的な生活空間である郊外での移動は都心部と変わらない狭苦しい歩道をぶらぶら歩くか、国道沿いの大型店舗へ自動車で買い物に行くか、そうでなければ自転車や原付バイク、最近では原動機付き自転車。
つまりSEGWAYのような乗り物が実用に供するのは、住職接近で平坦な地形、しかも雨の少ない欧米の都市だけであり、自動車の普遍的な利便性や、東南アジアの悪路でも乗りつぶされているスーパーカブのコストパフォーマンスと比較すれば世紀の発明でも何でもない。
ごく限られた地域でしか有用性のないおもちゃのようなものだ。これを「Reinvent the wheel」だと言って米国のメディアが1年近く騒ぎ立てていたのは白人の天動説にも程がある。最近のアフガニスタン内戦でも鼻につく欧米諸国の自己中心主義的な啓蒙主義世界観はもう20世紀で終わりにして欲しいものだ。