相反する2つの考え方が自分自身の中で衝突している

■相反する2つの考え方が自分自身の中で衝突している。一つは猛烈なキャリア指向。職場でほとんど猥談に近い同僚の雑談を耳にすると「君たちはいったい会社に何をしに来ているんだね」と思わずにいられないクソ真面目な心持ちだ。35歳までには大きな基幹業務系のシステム構築にたずさわり、さらにコンサルティング・スキルやプロジェクトマネージャとしてのステップアップを目指す。仕事で華々しい自己実現をはたすというシナリオがある。もう一方は数十億年の地球の歴史の中で一介の会社員として果たせる役割のあまりの小ささに、胃壁をすり減らしてまでたかがシステムエンジニアという狭い世界での階段を登りつめたところで何になるかという考えだ。もちろんその背後にはいくら落ちぶれても餓死するには到らないという気味の悪い「余裕」があることは否定しない。一介の会社員として広尾に100坪の大邸宅を構えるなどということは宝くじでも当たらない限り土台無理な話なのだから、毎日深夜残業を繰り返したところで、手に入れられる幸福はせいぜい良くても通勤時間1時間半の郊外にある規格建築の一戸建て。そのために半分神経を病むような苦痛に毎日耐える価値が果たしてあるだろうか。宇宙の彼方から針の頭のようなちっぽけな自分の存在を俯瞰している自分がいる限り、人はいったいどうして小市民としての幸福のために身を削ることができるのだろうか。そんなことをふと考えてしまう。