ピーター・バーンスタイン『リスク』

■明治文学ばかり読んでいるとテンションが落ちるので、日経ビジネス人文庫収録のピーター・バーンスタイン著『リスク』を並行して読んでいる。いかにも米国人らしい広く浅くの「リスク」に関する思想史入門書で、現代の人々がこれも自明ととらえている「リスク」という概念が主に欧米の数学者たちによってどのように形成されてきたかが手っ取り早く概観できる。
持ち家を買うか賃貸に住み続けるか、生命保険料をいくら支払うか、老後の生活資金をどう確保するか、将来が不透明になればなるほど僕らはリスクを回避するための判断と行動に迫られる。しかしそれが回避可能なものであるととらえられているのは、リスクがある程度まで合理的に測定可能であり、さらに因習や宗教的信念にとらわれない判断を僕らができるからこそである。
リスクというものも結局のところ僕らの認識の産物であるとすれば、はたで見ていてバカらしくなるほどリスクに鈍感な人がいてもまぁ仕方ないということだろうか。また仕事の愚痴になった。