理屈っぽい若手サラリーマンに対して

■理屈っぽい若手サラリーマンに対して、ベテランが思わず言いたくなることといえば、「うだうだ言ってないで仕事で結果を出せ!」ということだろう。理論と実践を天秤にかけて理論偏重になるなということだ。しかしサラリーマンの仕事の現場において理論と実践の二分法は思われているほど明確に線引きできるような簡単な問題ではない。一つひとつの仕事の実践が何らかの理屈を土台にしているのか、それとも理屈なんて仕事の実践の後からついてくるものなのか。若者の観念論的傾向を非難するのは簡単だが、ベテラン社員がまさに若者を観念論的であると非難しているとき「若者=観念論的である」という観念にとらわれていることになる。実践至上主義というのも一つの観念なのだから、若手とベテランはお互いに観念論の枠内で対立しているに過ぎないことになる。ベテランにありがちな現場主義、実践主義というのも立派な主義・ひとつの考えかたなのだから、社内で何かを改革しようとしているとき、いきなり問題を仕事のやり方という技術的なレベルから始めてしまうのではなく、まず「考え方」の妥当性から再検討するのが正しい方法論だろう。「考え方」の議論はサラリーマンにとって青臭くもアホ臭くもあるわけだが、そこから議論を始めないことには結局のところ何も変わらないのだ。実践のレベルと言えども常にすでに理論のレベルに浸食されているということが議論のスタート地点なのだ。