アスクルが成功したのはインターネットを使ったe-ビジネスだからではない

■アスクルが成功したのはインターネットを使ったe-ビジネスだからではない。アスクルの成功にとってインターネットを使った「e-」の部分はむしろ二義的な重要性しかもっておらず、そのほんとうの勝因は、顧客から企業に向かう情報の流れ(商流)と、その逆に企業から顧客に向かう物の流れ(物流)を徹底的に効率化することで顧客満足度を極限にまで高めた点にある。実際、同社が日立製作所とトーヨーカネツと共同で開発した物流システムは2000年ロジスティクス大賞を受賞している。また、同社が2001年1月に開設したe-tailingセンターは商流と物流の統合をそのままかたちにしたオフィスである。その成功に「e-」の威力しか見ることができないまま、例えば物流システムの構築経験がまったくないような他業種の企業がアスクルのまねごとをしようとしても失敗するのは目に見えている。「明日かならず届けます」という納期を確約するのに必要な、高度に洗練された物流システムを構築するのは、おママゴトではない。物流システムにはソフトウェアだけでなく、自動倉庫など機械装置のノウハウや、リードタイムを最短にしつつ欠品を防ぐための在庫管理の高度なノウハウも含まれている。物流倉庫の管理をした経験さえなく、まして徹底的なプロセス改善活動の経験もない企業にアスクルのまねごとなどできっこないのだ。