『チーズはどこへ消えた』の皮肉な読み

■『チーズはどこへ消えた』について皮肉な読み方をすれば、この本に書いてあるのは「ネズミ(スニフとスカリー)のように何も考えず迅速に行動するのがいちばん」ということだけ、とも言える。アメリカ人らしい楽天主義だがおそらく正しい解釈は人間はいくらあがいてもこの本に登場するネズミにはなれないのだから、せいぜいヘム(変化を受け入れようとしない頑固者)にならないようにしよう、ということなのだろう。
さまざまな解釈を許す点がこの本のいいところなのかもしれないが、日本でこの本がベストセラーになったのはマスメディアが騒ぎ立てた、というだけの理由だろう。こんな政治経済情勢で日本人がここまで楽観的になるのは逆に危険だ。「変化に備え、変化を受け入れる」ということと「なるようになれ」というのはまったく違うから。