スペンサー・ジョンソン『チーズはどこへ消えた』

■話題のベストセラー(←紋切り型)『チーズはどこへ消えた』(スペンサー・ジョンソン著、門田美鈴訳、扶桑社、880円)をハンバーガーを食べながら15分で読了。単純だが重要な主張を寓話で伝える、たしかに良書だ。世の中は少しずつだが確実に変化している、という当たり前のことを認めたがらない人たちには耳の痛い本だろう。
昨今は「IT革命」「構造改革」など急激な変化ばかりが喧伝されるので、「変化」というものは誰の目にもハッキリとわかる急激なものだという間違った考えが支配的だ。だが、そもそも「変化」とは日ごろから注意していなければ気づかないほどごくわずかずつ起こるものなのだ。
それがある限界値を超えると、いきなり誰の目にも分かるほど大きな現象になるので、人はついつい「変化=急激なもの」と思いこんでしまう。「変化=少しずつ確実に起こるもの」ということを認めたがらない人は、いざ変化が顕在化したときにあわてふためき、自信をなくし、いっそう保守的になる。だからこそ対策が後手にならないように変化を先取りして事前に対応策を打っておくべきなのだ。そう読めばこの本はマネージメントについての本だ。もちろんその対局には流れにまかせて生きるという考え方もあり、それはそれで一つの思想として存在価値はある。しかし私企業の管理職がそれでは話にならないのだが。