増田明美の話を生で聴いた

■増田明美の話を生で聴いた。彼女が政府中央教育審議会を終えたその足での講演会だ。バラエティーでは単なる脳天気なお姉さんといった感じで、もちろん快活な話しぶりは単純に楽しめたのだが、その一方で、若くして盛衰を経験した一流アスリートとしての孤独感が痛いほど伝わってきた。毀誉褒貶の激しかった彼女は現役を引退してもコーチとして声がかからず、やむなくスポーツ・ライターと解説の道に踏み出したが、解説者としてなかなか評価されない絶望感を独りで耐えていたようだ。マラソン解説を始めたばかりの頃、ちょっとした陰口にも「マンションから飛び降りようかなんて思ったりしたくらいですよ」と明るく語るだけにその内容は重い。しかし絶望や孤独の深淵を覗いているからこそ、人は希望を信じて生きることができるし、人に希望を与えることができるのだ。
■ドリームキャスト生産中止による特損の穴埋めに大川会長が850億円の私財を投じるという。転職活動をしていたとき有名検索エンジンの掲示板でCSKの実態は知っていたが、プロバイダ事業に自分の名前(イサオ・ネット)をつけたり、今回も私財をなげうってまでCSKを存続させるなど、株式会社の私物化が目に余る。そごうもしかりで、結局こういう創業者による家父長制経営の会社は、昔ならいざ知らず現在のような経営環境下で存続することは難しいのではないか。一時期機能したカリスマ性は今や裸の王様を生むだけだ。家父長制的組織の噂が漏れれば優秀な人材が集まりにくくなり、業績が傾いて経営者の求心力が薄れるという悪循環に陥る。ダイエーも似た経過ではないか。この時代の経営者に必要なのは曰く言い難いカリスマ性ではなく、あらゆることをクリアに説明した上で、なおもカリスマであり得るようなカリスマ性だろう。