自分で笑いながら台本を作るコメディアンはたぶん面白くない

■自分で笑いながら台本を作るコメディアンはたぶん面白くない。人を笑わせることは難しい。楽屋裏では必死の形相で黙々とネタを考え、お客の前では面白おかしくしゃべりまくる。社内の情報システム部門が社内にシステム展開するときもまったく同じだ。作る側の作戦はウラの顔、使う側への説明はオモテの顔。のんびりした社風の企業なら、それ合わせてのんびりした展開をするのが望ましいが、その作戦までのんびり考えていたのでは話にならない。また、試行錯誤から最適解を発見するのが得意な企業なら、行きつ戻りつの展開が望ましいが、作戦を考える側までが試行錯誤していたのでは話にならない。コメディアンが「真剣に」ふざけなければ面白くないのと同じように、システムの展開・定着もただ社風に合わせてのんびりしたり、試行錯誤するのではなく、あくまでのんびりした「ふり」、試行錯誤の「ふり」をするのが作る側としての正しい取り組みだ。言いかえれば「戦略的に」のんびりする、「戦略的に」試行錯誤するということになる。作戦を作るウラの顔と、打って出るときのオモテの顔。このふたつを使い分けるのが、情報システムに限らず物事を推進していく側の正しい行動だが、そんな基本的なことさえ理解できていない人もいる。ウラ・オモテのない誠実さがつねに正しいとは限らない。誠意なき戦略は単なる暴力だが、戦略なき誠意は単なる無責任である。