また僕らを失望させる日本がある

■また僕らを失望させる日本がある。整備新幹線のフル規格方式での着工のことだ。森首相の地元への利益誘導ではないかと言われている。公共事業の採算性見直しを言っている尻から、何故「フル規格への格上げ」なのか。米国CIAの2015年の世界情勢予測では日本の国際的地位は現在よりも低下していると明言されているそうだ。成田空港、関西空港、本四架橋、整備新幹線...。いったい何度過ちを繰り返せば日本の政治家は学習するのだろうか。ますます僕らの閉塞感をつのらせるニュースである。
■先日開通した東京の環状地下鉄・大江戸線。まだ乗車していないが、噂によれば車内が異様にせまいらしい。ふつうの地下鉄に比べて車両の幅が30cm近くせまく、長椅子に座ると、行儀の悪い酔っ払いなら間違いなく向かい側に座っている乗客のすねを蹴りそうな勢いらしい。なぜそれほど窮屈な車両になってしまったのか。すべては日本の「土地信仰」が原因だ。東京都による用地買収が思うように進まず、やむなく主として公道の真下に地下鉄を走らせることにした。公道の幅しか用地がとれないためチューブが狭くなり、それにしたがって車両も狭くなったというわけだ。来年の1月、3月には通勤・通学定期の買換え時期をむかえるため、大江戸線の朝のラッシュはかなりひどくなるだろうと言われている。ただでさえ強烈な地下鉄のラッシュが、30cmも幅の狭い車両になったらと思うとゾッっとする。けが人や体調の悪くなるコミューターの続出は必至だ。地下に対する私権を制限する法律さえ整備されていれば、観光客や週末の買い物客しか使えないような中途半端な地下鉄が出来上がることもなかったわけだ。ここでも成田空港と同じく、ごく少数の私権のために大多数の人々の利益が犠牲になっている。かといってむやみに強権発動を正当化すべきではないが、正当な経済的対価を支払って買収する場合は、強制的な土地収容も許されるのではないか。日本の数千万という会社員が毎日往復2時間の通勤時間を「知的再生産」の時間に使えれば、それだけでGDPをコンマ数ポイント押し上げるくらいの経済効果はあると思うのだが。