利用者部門が「基幹システムは使いにくい

■利用者部門が「基幹システムは使いにくい、もっとこういうふうに情報が見られないか」と情報システム部門にこぼしたとき、「では検索画面を改善しましょう」と対応することが情シ部門として誠実な対応だと勘違いしていないか。長年会社員をやっていて問題解決型の行動パターンが染みついていると、目の前にぶらさげられた問題にどうしても飛びついてしまう。与えられた問題を一生懸命にこなすことが評価された時代はそれでもよかったが、多くの問題が構造的な問題となってしまっている今、「本当にそれが問題なんですか?」と問い返すだけの思考力が必要だ。問題は所与のものではなく、自分で見つけ出すものなのである。「どうしてそういう風に情報が見られると便利なんですか?」と一歩踏み込んで質問すべきなのだ。そうすれば、実は基幹システムにもともと存在しない情報や、基幹システムに入力する性質ではない情報こそ、その利用者部門にとって重要であったりする。その場合、本当の問題点は「基幹システムが使いにくい」という技術的レベルにはなく、「部門間の情報流が阻害されている」というもっと根本的なレベルにある。例えばグループウェアを使って他部署の業務プロセスをある程度透明化するしくみこそが求められているのかもしれない。他にも、新しい情報システムの費用対効果を現場に納得してもらえないのは、説明が悪いからだと思いこむ例もある。誠意をもって一生懸命説明した結果何とか導入に成功すると、たいていの会社員は「やっぱり誠意が大事なんだ」と、とんでもない誤解をする。しかし本当の問題は現場と情シス部門に、お互い話を聞き合う基本的な信頼関係が事前に成立していなかったことである。時間をかけたことで偶然その信頼関係が生まれたのかもしれないが、そもそも信頼関係を作るための日頃からの十分な情報開示や利用者部門とのコミュニケーションが行われていたか、それが本当の問題点なのだ。真の問題点に気づけない「問題解決型」会社員は結局「火消し」的な仕事しかできない。「ほんとうにそれが問題なのか?」と疑うこと、やはりここでも「疑う」ということが重要なのだ。