昨日の日記に「声の大きさ」ということを書いた

■昨日の日記に「声の大きさ」ということを書いたが、インターネットはむしろ無数の人々の「ささやき声」がきっちりと伝わる新しいメディアだ(慶應義塾大学・國領二郎教授の言葉を参考にしています)。というより、そもそも文字情報では声の大小や抑揚は伝わらないので、過度の修辞をともなった文章はかえってうさんくさく読める。僕のエッセーの文面だけを見て僕のことを饒舌で押しの強い人物だと誤解する人は、リアルな世界での文の勢いと声の大きさの相関関係をバーチャルな世界にも無意識のうちに持ち込んでいるに違いない。同じ文字情報でもこれまで活字の世界では、出版企画など上流の管理費から物流費など下流の直接経費まで総費用が高額で「ささやき声」を活字にすることなど採算が合わなかった。しかしインターネットは情報機器の初期投資さえすれば、あとは微々たる費用で個人の「ささやき声」をメディアに載せることができる。バーチャルな世界ではリアルな世界の「声が大きい=権威」という図式は成立せず、「ささやき声」が思いがけず説得力を持ってしまう。その転倒が面白い。
■ここ1年以上、声優ラジオをまったくフォローしていないのだが、なんと林原めぐみの新曲がテレビの音楽番組のチャートで20位以内に入ってきているではないか。アニソンというのはアレンジや曲想がどれも似たり寄ったりで、一発でアニソンと分かってしまうのが不思議だが、もっと不思議なのは既婚の林原めぐみが依然として声優の中では飛び抜けたポピュラリティーを持っているということと(30代半ばでプロモーションビデオの中でスリップドレスを着て上目づかいなのはやや無理があると思うのだが。しかも未婚のときより露出度が上がっている気がするし...)、普通の音楽番組で20位以内であるにもかかわらず、おそらくその番組を見ている大多数の人が林原めぐみが何者かを知らないであろうということのギャップだ。