3文字言葉を批判する前に謙虚に学べ

■今月号の『日経情報ストラテジー』を読んであらためて思ったことがある。日本人のシステムエンジニアにはCRM、SCM、ERPなどの3文字言葉について「まずはその真価を問うべきであって流行に踊らされるなかれ」「IT革命にだまされるな」としたり顔で論じる人が多い。
しかし同誌にも書かれているように、CRMはそもそも旅館のおかみの心得であり、SCMはトヨタのカンバン方式である。日本人が蓄積してきた商売やモノづくりのノウハウの中にその萌芽はあったわけで、CRMやSCMの「真価」をすでに知っているはずなのだ。
にもかかわらずそれら3文字言葉にアレルギー反応を示すのは、単にそれらが英語で書かれているからにすぎないのではないか。じっさいCRMはcustomer relationship managementだから、日本語に訳せば「お客様との関係を大切に」ってことだし、SCMはsupply chain managementだから「物流のつながりを『作る』側から管理しましょう」だ。
それを自力で翻訳できないから毛嫌いしているにすぎないのではないか、と勘ぐりたくもなる。そうしたノウハウを抽象化し、他の企業にも適用できる仕組みにし、わかりやすいキャッチフレーズ付きで世界に売り込む。それを日本人ができないから、欧米のIT関連企業が代わりにやっている。それだけではないか。悔しかったら日本人はそうしたノウハウを抽象化する努力をするか、謙虚に3文字言葉を学ぶべきだろう。少なくとも日本人に情報システムの3文字言葉を批判する資格などない。