ナレッジマネジメントと『伊藤家の食卓』

■生まれて初めて経験することを前にして、経験者の言葉がないかとインターネットでキーワード検索してみた。するとそのものズバリのテーマでメーリングリストの過去ログが見つかった。意見の異なる人たちの発言を一覧できるので、バランスのとれた意見を抽出することができる。
なんでもない人がもっている経験や知恵、それを共有化することによるメリット。『伊藤家の食卓』のようなTV番組がヒットする理由は、日常生活に埋没してしまっている一見つまらない知恵がそれなりに生活を豊かにするということを示している。
よく考えると、これってナレッジ・マネージメントだ。いろんな人たちが持っている「暗黙知」を、TV番組への投稿やインターネットのメーリングリストという形で「表出」している。表出した人たちはTV番組に取り上げられたという名誉や、人助けをした満足感というインセンティヴを受け取る。インターネットはそうした良循環によって市井の人たちがもっているナレッジを蓄積する場になりつつある。
ナレッジ・ベースと言えばもっともらしいが、「明文化された知恵袋」といったところだ。インターネットの利用者は無意識のうちに巨大なナレッジ・ベースにアクセスしてる。今、Notes/Dominoなどのグループウェアを導入したのにナレッジ・マネージメントがうまくいかないと嘆いている日本企業は多いらしいが、自宅でインターネットを体験して「知恵の共有化」という行為が当たり前のことになれば、案外スムーズに回り始めるのかもしれない。社内のナレッジベースに「○×家の食卓」っていう名前を付けちゃうとか、ね。