終戦(敗戦?)記念日

■終戦(敗戦?)記念日。NHKの特集番組を見ていて、あらためて「フツーの人間が平気で殺人鬼になってしまう」戦争というものの恐ろしさを感じた。フツーの高校生が一家6人を惨殺したり、そういうのが全国民的に起こった状態が戦争ということで、それが今も世界のどこかで起こっているというのは、やはりリアリティーがなさすぎて信じられない。
村上龍『希望の国のエクソダス』読了。マクロ経済に関する記述はよく分からなかった。例によってところどころ胡散臭さがぷんぷんするけれど、全体としては妙に生々しいリアリティーのある近未来小説。ふつうの「近未来小説」は現在とちょっと離れた時点からを描くけれど、村上龍の作品は現在と連続した未来を細かい取材の積み重ねを基礎に描くので、ほんとに生々しいリアリティーがある。あまりの生々しさに、ほんとに昨日、こんな事件をニュースでやっていたような錯覚におちいるほど。それはおそらくこの作品の主人公が目前の現実に対してとる距離感が、僕個人の現実に対する距離感ととても近いせいもあるだろう。例えば僕がねちっこい恋愛小説が大嫌いなのは、そういう恋愛小説の主人公の現実に対する距離感が、僕自身のそれとぜんぜん違うからだ。...という具合に主人公に感情移入できるかどうかで小説を評価するのはまったくダメなのだが、とりあえずこの『希望の国のエクソダス』については村上龍自身もテクニック的なことについては語りたくないと言っているので、よいのではないか。