またまた日本の製造業の品質管理にボロが出た

■またまた日本の製造業の品質管理にボロが出た。ブリヂストンの米国現地法人ファイヤストン社が650万本のタイヤをリコールするという。不良タイヤが原因と見られる死者が46人もいるという。なぜ46人もの死者が出るまで苦情を放置し、適切な処置をとらなかったのか理解に苦しむ。たしかファイヤストンは斜陽のタイヤメーカーをブリヂストンが買収して見事に建て直したと記憶しているが、リストラや製造コスト削減を急ぐあまり品質管理がずさんになったのだろうか。ちなみにブリヂストンの日本語サイトでファイヤストン社100年の歴史が読める。ずいぶんぶち上げた内容になっていて、今回のリコール騒ぎとのギャップが面白い。キリンビバレッジのWebサイトはハエ混入問題の直後にトップページが「お詫び」に差し替えられていた。それに比べるとブリヂストンは対応が遅れている。ちなみに米ファイヤストン社のWebサイトは2000/08/09現在接続不能になってしまっている。
■最近の相次ぐ品質管理問題はそれぞれの企業が責任をとらなければならないのはもちろんだが、病院での医療ミスなども含めて考えると、問題はもっと根本的なレベルにあるような気がしてならない。つまり、世の中のしくみや世の中を動かす基盤になる技術がどんどん複雑になっていくのに、人間の手足がそれに追随できていないのではないかということだ。IT革命はいってみれば人間が暗黙のうちに処理してきたような仕事を形式化・外部化するプロセスだが、それだけ人間のこなす仕事が複雑になってきて、文書や情報システムの形で形式化・外部化しなければ、とても仕事を引き継いでいけなくなっているということではないか。会社や官庁という組織は、仕事を少しずつ少しずつ複雑にすることがそれ自体仕事になっているようなところがある。近代的な意味での「会社」「官庁」が地球上に登場して以来、歴史上の無数の会社員や官僚たちが少しずつ少しずつ、世の中のしくみを複雑にして、そろそろ人間が扱える限界点に達しようとしているとは言えないだろうか。