米国の低失業率とインフレ抑制

■日本の景気が米国に大きく左右される以上、米国経済のマクロ指標に敏感にならざるをえないが、米国労働市場が未曾有の低失業率でありながらインフレは抑制されているという事実を誰もが不思議がっているようだ。
今週の『The Economist』によればその要因は(1)労働力供給の拡大、つまり女性やマイノリティー、不法移民がどんどん労働市場に参入していること(当然不法移民は政府の正式な統計には現われない)、(2)失業とインフレの関係そのものが変化している、つまりドル高と物価の低さのおかげで労働者が低い名目賃金でも満足できていること、あるいは従来の賃金指標が賞与やストックオプションを性格に測定できていないかもしれないこと、あるいはNAIRU(インフレを起こさない失業率水準)そのものが本当に低下していることがある。
NAIRU低下の原因としては、男性労働力の2%が何らかの理由で投獄されていること、契約労働者の増加など労働市場の流動化などの説がある。他にグリーン・スパン議長がよく持ち出す説として(3)労働環境の不安定さがある。急速な技術革新による失業を恐れ、たとえ賃金が上がらなくとも今の仕事を続ける労働者が増えていること。いずれにせよマクロ経済学者にとっては興味深いサンプルなんでしょうね。