S.E.S『REACH OUT』

■ここでたびたびS.E.Sのことを言及するにもかかわらず一度もアルバムを聴いたことがないのはまずいと思い、日本デビューアルバム『REACH OUT』(1999/3/10発売)を購入した。名古屋の繁華街・栄の地下街のCDショップを探し回ったが、結局HMVに行かないと見つからなかった。そんなにマイナーか?
BAY FMではこの4月から毎週土曜22:48-23:00にレギュラー番組を持っているので首都圏のみなさんは必聴。神奈川県生まれのShooは中学二年生まで日本に住んでいたので日本語ができるのだ。他の二人、Sea(シー。ニックネームが韓国語でパダ=「海」なのでそれを英語にしたものをそのまま芸名にしている。S.E.Sのリーダー)と、Eugene(ユージン。6年間グアムに留学していたので英語が堪能)はあまり日本語ができないらしい。(ちなみに、Sea、Eugene、Shooの3人だからS.E.S)
この日本デビューアルバムは彼女たちにとっては3rdアルバムで、10曲中6曲をMisiaの『つつみ込むように…』の作曲家として有名な島野聡がプロデュースしている。他にもCHARAの編曲で有名な渡辺善太郎も楽曲を提供している。10曲目は韓国のみ発売の2ndアルバムからの1曲だが、韓国では「かわいい」路線、日本では「クール」路線とマーケティング戦略が明らかに異なるようで、10曲目だけが妙にキャピキャピのボーカルで違和感あり。HMVで2ndのジャケットを見たが、これも「かわいい」路線で、『REACH OUT』と雰囲気が全く違う。
ついでに言えば、韓国の芸能誌上のS.E.Sのインタビューを日本語訳したHPを見つけたのだが、Seaが「良妻賢母になりたい」と答えている。女性アーティストのマーケティングは韓国のほうが遥かに保守的ということなのだろうか?手元にある『ソング・コング』1999年5月号のS.E.Sインタビュー記事(p.39)では、同じSeaが「このアルバムを聴いて何も感じない人は話にならない(笑)そう言える自信はありますね」と言いきっている。この違いは何だ?
さて、個人的な感想を言えば、Seaのソロ・アルバムを作ってくれ!の一言。Seaの歌の上手さが出色。彼女のファルセットの美しさや声の伸びは宇多田ヒカルの比じゃない。8曲目『めぐりあう世界』では都はるみを思わせるような「うなり」も聴かせてくれる。だからSeaのソロ・アルバムを作ってくれ。他の2人は...
■ある読者からのメールでちょっと気になったので一言書いておきたい。僕は自分だけが高みに登って、俗っぽいものを軽蔑しているわけじゃない。宇多田ヒカルのファンだと公言すること自体かなりミーハーだし、S.E.Sにいたっては韓国じゃ完璧なアイドルだ。ただ、俗っぽいものにしか興味がない人には、そうでない世界もあるということを知って欲しい。
シェーンベルクの『浄夜』には宇多田ヒカルとは違う種類の豊穣さがあるし、デリダの『グラマトロジーについて』は、ベストセラービジネス書にはない面白みがある。俗っぽいものを切り捨てて、みんな仙人になりましょう!とはひとことも言っていない。重要なのはそういう風に物事を二つに切り分けて、一方を切り捨ててしまうことではなくて、多様性そのままをどうやって受け入れるかということだ。(もちろん僕自身そんなに心が広いわけじゃないけれど[反省])
■他人のホームページを見ていていつも思うのが、日付に西暦を入れておけ!ということだ。いきなり「4月2日イベント開催!」と書いてあっても、去年なのか今年なのか分からない。そういうわけで僕は自分のHPでは雑誌の発行月などに必ず西暦を入れるようにしている。個人のHPをお持ちのみなさんも日付情報には必ず西暦を入れるようにしませう。