トリュフォー『家庭』のヘンな日本人

■フランソワ・トリュフォー『家庭』1970年フランス。ドワネルもの。『夜霧の恋人たち』の続編。日本人女性キョーコがアントワーヌの浮気相手として登場する。キョーコがアントワーヌとデートするために、ルームメイトを追い出す場面で長い日本語のかけあいがある。その平板なイントネーションと早口の日本語は、日本人がしゃべる日本語としては少し違和感があるが、トリュフォーが俳優に話させるフランス語も、フランス人からすると同じように少し違和感があるのかもしれない。
日本文化の描き方は、中国文化との混同があったりと、西欧人お決まりの大間違いがたくさんある。トリュフォーにしてこれだ。途中、日本語の台詞で、音声が消されている部分があった。きっと差別用語か4文字言葉だと思うが、何を言っているのか気になる。ただし、織物のバックに赤い文字という冒頭のタイトルは、明らかに小津安二郎の引用であり、キョーコがアントワーヌに愛想を尽かした最後の言葉が「勝手にしやがれ」(トリュフォーも原案に参加したゴダールの出世作の日本公開タイトル)である。